UPDATE : 2013/Apr/02
AUTHOR:
随筆家 ヤマヒデヤ
「禁断の恋」
街中で
どうしようもないカップルに
たまに遭遇します
どうしようもなく
好きすぎるのは
わかります
しかし
公共の場です
こちらの方が
恥ずかしくなる
コトも多々
ここにも
そんなカップルがいました
彼の家はとてもお金持ちです
子供の頃から
勉強にスポーツにその他もろもろ
お稽古ごとだらけでした
小学生の頃までは
まわりの環境もあり
そういうことは当たり前なのだと
なにも疑うコトはなかった
彼女の家は
貧しく病気がちな
父親と2人ぐらし
親子関係も決して良好
というわけではありません
小学生の頃までは
まわりの環境もあり
そういうことは当たり前なのだと
なにも疑うコトはなかった
高校生になった彼は
相変わらず塾などに通っております
今日もそんな塾帰り
彼は
喉がかわいたので
コンビニエンスストアで
ジュースを買い
外に出てきました
そこには
いわゆる不良少年少女風な
人たちが
たむろしていました
彼にとっては
無関係の人種
しれっと横を通り過ぎようとした時です
「おい
にぃちゃん
美味しそうなもん
飲んどるね」
彼は当然 無視しました
怖いので
すると
話しかけてきたのとは
別の少年が
「おい 無視すんな
ちょっと
こっち来いや」
そう言うなり
彼の肩を
つかみかかりました
彼女は高校生になり
自力でバイトして
学校のお金と家計費を作っていました
勉強するひまがあるのは
学校にいてる時だけです
それ以外はほぼ働きづめです
ちょうど夜のバイトの合間に休憩があり
近くのコンビニエンスストアに
ジュースを買いに行きました
外に出ると
少年少女に絡まれている
ガリ勉くんがいました
バイトの合間だったし
ややこしいことに
関わっているヒマはなかったので
横を通り過ぎようとしました
すると
少女がひとり
「ねぇちゃん
ええのん飲んどるのぉ」
彼女は当然 無視しました
怖いので
「おい
無視すんなや
ちょっと
こっち来いや」
そう言うなり
彼女の肩を
つかみかかりました
ちょうど
2人が同時に
絡まれている時でした
コンビニエンスストアの中から
同じプリントのスウェット
同じようなデニムパンツ
同じクツ
という身なりで
恐ろしい程に
お互いに
お互いの体に
手を絡ませあっている
恐ろしいカップルが
現れました
あまりのインパクトに
彼も彼女も少年少女たちも
かたまってしまいました
まるで
街全体が2人に
目をうばわれ
沈黙しているかのようでした
2人の歩く姿はまるで
スローモーション
なんというオーラなのか
はっきり言って
目の毒です
恐ろしく
イチャイチャしています
林家ぺー パー子も
色あせて見える程です
少年少女たちは
あまりの
おぞましさに
1人2人とその場を立ち去り
とうとう
最後の1人もいなくなり
そして
恐ろしいカップルも行ってしまった
結局
彼と彼女だけが
残されるカタチになった
2人共に同じようなコトを考えていた
今までの自分とは
何だったんだろうか?
自分の今まではそれが当たり前で
これからも
その当たり前が続くと…
しかし それもあのカップルのせいで
ゴロゴロと
音をたてて崩れ落ちていった
今までの自分が
どうでも良くなった
そして自分も恋に生きようと
なぜか決心してしまった
そして横を見ると
同じようなコトを考えている人が
目の前に
それがキッカケで
2人は付き合うことに
猛烈に好きあった
激しく
激しく
もっと
もっと
猛烈に
いつしか2人は
同じプリントのスウェットを着て
同じようなデニムパンツをはき
同じクツ
という身なりになった
そして体という体を密着させ
手や腕を取れないんじゃ無いだろうか?
というくらいに絡ませあって…
そして2人は
あるコンビニエンスストアから
ジュースを買い
出てきた
そこには
彼と彼女と少年少女たちがいた
が
しかし
2人には一切
目に入らない
2人だけの世界である
コンビニエンスストアの駐車場から出た辺りで
上の方から
声が聞こえた
「あかんわぁ〜
こんなん
キリ無いやん
アカンやん
もぅええわ
同じコトのくりかえしやん
やめとこ
もうな」
そう言うなり
空から
いな光りがして
あたりが
一瞬明るくなった
次の瞬間
2人は
ガードレールと
傘に
変えられてしまった
っとまぁ
そんな話や
ほな!