UPDATE : 2013/Jul/01
AUTHOR:
随筆家 ヤマヒデヤ
「憧れの君」
黒船が幕末日本にやってきて以来
アメリカという国から色々なモノが
文化と共に入ってきた
それが日本人にとって幸せなモノなのか
僕にはわからない
そういう連中が
僕が生まれた時には
すでにたくさんあった
というコトだけは確かである
僕は以前もお話したが
このモノたちにストークされていた
まぁ今でも
時々ヤツらは
僕の前に現れる
困りものだ
しかし
同じ愛称のモノでも
憧れのモノはいた
彼女はその当時
高嶺の花であった
僕は指をくわえて見ている
しかなかった
声すらかけることが
できなかった
アイドルのような存在?
どうだろう?
アイドルと言えば
アイドルなのかもしれない
でも
でも
なんか違う
なんというか
彼女は未来からきた
サイボーグのような
まるでSFの世界
ワクワクする存在
例えて言うなら
スタンリーキューブリックの
「2001年宇宙の旅」
を初めて観た時の感覚
その当時
小学生の僕は
ワケがわからないが
なんだかスゴい
そういった
波動のような感覚
それから10数年後
それに似た感覚を
僕は彼女に出会った時に
感じていた
時代はそこからドンドン進み
2001年も過ぎ
今は21世紀
20世紀の昭和ではない
タブレットにスマートフォン
そんなもので
あふれかえっている
完全にSF映画の世界に近づいている
H・G・ウェルズ
や
フィリップ・K・ディック
が
描いていた世界観
それがもう
始まっている
そういう気がします
僕はある朝
別にそんなことを考えるわけでもなく
適当な邪心に満ちあふれ
自転車をこいでいた
前方に四角い箱を見つけた
はて
なんだろう?
そんなコトを
思いながら
自転車をこいでいる
ドンドン近づく
通り過ぎそうになった
ちょっと過ぎた
はっ
となった
僕は急ブレーキを
引き返し
その箱の元へ
なんとそこには
僕が昔
恋いこがれた君が
ああぁ
なんということだ
頭の中では
ショパンの
「幻想即興曲」
が流れだした
雨に打たれて
泥まみれじゃないか
高嶺の花だった君が
複雑な気持ちになった
僕は彼女に
声をかけてみた
「あのぉ…
アナタはパフォーマーさんですよね?」
返事は無かった
もう一度
同じ質問を投げかけてみた
やはり
返事は無かった
どうしたんだろう
もう
話すこともできないのか
それとも
話したくないのか
いずれにせよ
彼女は僕には
なにも答えようとは
してくれなかった
諦めた僕は
彼女を置いて
後にするコトにした
「サヨナラ
憧れの君」
最後に一枚だけ
写真を撮らせてくれ
君と同じ所で生まれた
このiPhoneで
やはり君は美しい
Power Mac
よりも
Mac Book
よりも
iPad
よりも
iPhone
よりもね
ありがとう
おやすみなさい
ほな!