路上のモノ

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「路上のモノ」 その弎拾四

UPDATE : 2014/May/29
AUTHOR: 随筆家 ヤマヒデヤ

「路上のモノ」 その弎拾四

 

 

「カバの距離」

 

 

 

触れられた
自分からは
触れたことは無い
自分から触れたら
どんな感じだろうか

 

感情も行動も
進めないんだ
進ませないんだ
今のこの感じが
良いんだ

 

ドキドキする
この感じ
もっと
話したいのか
顔を見ていたいのか
そばにいたいのか

 

相手の心理を探る
恐らく
相手も同じだろう

 

恐怖と興味が入り混じる
冷静と混乱が入り混じる

 

どうなりたいんだ
どうしたいんだ

 

わかっていないフリを
し続けるんだ
良いんだ
それで

 

体温を感じた
匂いはまだ感じていない
感情の声も聞いていない
僕からは触れていない
触れないんだ

 

離れながら近づく
近づくと離れる

 

お互いが冷静でいたいと
考えている
次を考えながら
次を打ち消す
妄想だけが二人を走らす

 

もう触れているよ
匂いを感じているよ
温もりを感じているよ

 

いいじゃないか
見えない部分も
触れてみよう
匂いを
温もりを

 

すごく
面白いよ
今が
だから
進めっこないよ
つまらなくなるから

 

楽しいんだ
今が
だから
それだけで良いんだ

 

 

今はね

 

 

 

遊具であるカバ
キミはこんな事を
考えているのか

 

これじゃ
背中に乗りにくいだろう

 

 

 

ほな!

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