「前カゴ」

 

 

わからなくていい

 

何処にも行けない

 

何処にも行きたくない

 

自分という

 

“殻”

 

に閉じこもっていたい

 

 

 

安全なんだよ

 

何処にも行かないから

 

何処にも行けないんじゃないよ

 

自分という

 

“城”

 

に住んでいるから

 

 

 

旅には出ないんだ

 

何処にも行く必要なんてないさ

 

何処にも行く場所も無いしね

 

自分という

 

“地図”

 

を無くしてしまったから

 

 

 

太陽は昇っているのかい

 

月は欠けているのかい

 

並々ならぬ

 

感情の波動が

 

頭の中でうねる

 

思考が脳の外に

 

はみ出してしまう

 

そうなったら最後

 

“殻”の中を 走り

 

“城”の上で 吠え

 

“地図”の無い自分を

 

斜め上から見つめる

 

 

 

誰かが言った

 

大丈夫かい？

 

僕は思った

 

大丈夫ってなに？

 

また違う

 

誰かが言った

 

ちゃんとしなさい

 

僕は思った

 

あなたのちゃんとが
わからない

 

 

 

海が荒れてきた

 

“殻”が破られそうだよ

 

地割れがしてきた

 

“城”が崩れそうだよ

 

“地図”の無い僕は

 

それでも動けないんだよ

 

 

 

僕の言ってる事

 

僕の考えてる事

 

僕の感じてる事

 

僕の聞いてる事

 

僕の囁いてる事

 

 

わからなくて良いと思う

 

必要無いんだ

 

聞き流せばいい

 

理解とかいいよ

 

どうせ
自分でも解らない事だから

 

 

 

前タイヤが無いんだ

 

後ろタイヤはあるんだ

 

誰も乗らない

 

誰もこがない

 

君の

 

“殻”も”城”も

 

この前カゴに入れると良いさ

 

前カゴには君の無くした

 

“地図”も入っているよ

 

 

 

ほな！