UPDATE : 2014/Apr/17
AUTHOR:
随筆家 ヤマヒデヤ

「どうでもいい機能やデザインについて」
本当か嘘かは分からないが
本当の事を教えてやると
声をかけられた
生き物には寿命というものがある
だいたいそれぞれに
長さはおおむね決まっている
多少の長さの違いはあっても
だいたい同じくらいだ
それは科学が進歩した
人間にも言えること
人間の寿命はものすごくのびました
でも永遠の命は手に入りません
150年すら手に入りません
モノたちもそうです
モノたちもそれぞれの
種類によって
おおむね決まっている
絶対に壊れないテレビは無い
もし絶対に壊れない
テレビが昔に
作られていたとしよう
そのテレビが
今あったとしたらどうだろう
何人の人が
そのテレビを
使っているだろう
絶対に壊れないのだから
買った人はずっとそれを
使っている筈だ
だがそうであったとしても
恐らく大半の人は
そのテレビを
もう手放しているだろう
絶対に壊れないのに
地デジに変わったから
昔のブラウン管テレビは
場所をとるから
色々理由はあるかもしれない
でもね
ちゃんとした理由があるよ
それはね
あきたんだよ
新しいのが欲しくなったんだよ
だから今のはいらないんだよ
まだまだ使えたとしても
永遠に壊れない
テレビだとしても
実際に壊れない
テレビはありませんが
作り手の方である程度
寿命を管理している
というのを聞いたことがある
今の科学と技術でいったら
どのモノも画期的な
高寿命が可能
しかし
それをしてしまうと
お客様が買い替えを
なかなかしてくれなく
なるから
製造者はある程度で
壊れるように作ってある
飽きる前に
そして
別にどうでもいい機能や
デザインを変えて
新しいモノを売り込む
当社比較とかして
実は
人間もそういう風に
作られている
だから
どれだけ頑張っても
寿命は伸びない
それだけでなく
普通の寿命より短い命がある
事故や病気や天災などで
多くの命が奪われている
それは
人間を持っている所有者が
飽きたから
とはいえ
人間が今一番流行っているから
地球上で爆発的に
増えている
飽きる前に殺され
色々な機能や
デザインを変えて
売り込む
当社比較とかして
だから
お前も俺も同じだ
その事だけ知っておけ
と
枝の折れた傘に
言われた
心も折れたのか
これが
彼の最期の言葉だった
きっと作り話だろう
そういう機能が付いた
ビニール傘だったんだろう
ほな!