続 橋本健二

フィルター

第一話 陽炎 カゲロウ

UPDATE : 2015/Jun/27
AUTHOR: 建築家 橋本 健二

第一話「陽炎 カゲロウ」続 橋本 健二

 

あれから月日が流れ

小前田の周辺にも変化があった。

事務所は以前の場所から移転しAARも人の手に渡った。

髪の毛は少し短くした。

教える場が大学になり理事長の面接のときにカットしたからだ

小前田は面接が苦手だ。

関係ないが幼稚園時代のお遊戯の時

「おトイレに行きたいです。」と言えなくて

失禁記録がある暗い過去が蘇る。

それをバネにして生きてきた・・「どれを?」

自分に言い聞かせる。

フェイシャルも行った。

新緑の気分である。

そういえば小学生時代は人形劇倶楽部を結成し

お昼の食事時に低学年の教室に伺い

劇を披露した・・・そして1年くらい活動し

人形劇倶楽部は解散した。

最後の劇が終わり二人で人形をブロック塀に叩き付け破壊した。

あ・・クラブは二人だけだったのだ。

今の小前田の役者じみた言い回しは この時からかもしれない。

TIE UP PROJECT