「黄色いキミ」

黄色いのぉ

まだオヒサマがそんなに昇っていない

キミはオヒサマの子供かい？
キミはオヒサマの子供かい？

たずねたところで返事はなし

でもよく見ると
ザボンにも見える

キミはザボンかい？
キミはザボンかい？

たずねたところで返事はなし

違うのかぁ

待てよ
なんかのタマゴかもしれない

キミはタマゴかい？
キミはタマゴかい？

たずねたところで返事はなし

なんだい なんだい
このヘンテコリン野郎
僕はちょっと不機嫌になった

でもいけないと思った
深呼吸した

ちょっと気分が落ちついた
気をとりなおした

ねぇねぇ
さっきは機嫌を悪くしてごめんよ

キミはいったいダレなの？
キミはいったいダレなの？

落ちついて優しく話しかけてみた

すると
そのマルイのがしゃべった

僕はボールだよ
僕はボールだよ
コロコロ転がるボールだよ
ボンボン蹴られるボールだよ
ヒューと投げれるボールだよ
ポンポン弾むボールだよ

そうか そうか
キミはボールだったんだね
オヒサマの子供でも
ザボンでも
タマゴでも
なく

でもどうしてそこに居るんだい？

僕はボールだから
好きな時に
好きな所へ
転がって行けるんだ
だからどこに居てもいいのさ

そうか
いいのさ
なのか

じゃあわかったよ
またいつかどこかであったら
ごあいさつするね

ボールさん
さようなら

ありがとう

ボールはサヨナラすると
コロコロと西の方へ転がって行った

ほな！