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塩津丈洋・久実子

「種木屋」

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MAY , 2017

PROFILE

□ PROFILE DATA

塩津丈洋・久実子

種木屋  |  塩津植物研究所

2010年 設立 日本の山野草木を「 知り 学び 育てる 」盆栽教室を日本各地で開催。種木の生産や培養にも力を入れ 育成相談や治療を積極的に行う。草木を生かした空間や造園など 人と植物のより良い暮らしを研究している。
著書に「身近に植物のある暮らし」がある。

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─ 種木屋 ─

 

ここは奈良・橿原にあるとある植物研究所。
古くは酒蔵として使われていた、100年をゆうに超える歴史ある場所だ。昨年秋にやってきた時点では、長く使われていなかったこともあり、人が踏み入れられないほど草は生いしげり薄暗く、家も廃墟同然の荒れ具合。改修を始める前にまず小屋を建てなければならない、寒さの中の車中泊、そんな想定外のアクシデントからスタートした新天地奈良での開墾作業。
この春、2010年東京で設立した「塩津丈洋植物研究所」が拠点、活動内容、屋号も新たに「塩津植物研究所」として7年目の活動に突入した。

 

「植物の魅力を多くの人に伝えたい」
引き続き“植物のお医者さん”として育成問題の相談や治療、また日本の山野草木を学び育てる体験型の盆栽教室、草木を生かした空間づくりや造園の活動はもちろんのこと、新天地では新たに「種木屋」としてこれまで行っていなかった植物の生産・販売にも力を入れる。

 

この聞き慣れない「種木屋」とは ─
そもそも種木とは、いわば盆栽の苗木。種を蒔き、挿し木をし、将来盆栽になる最初の命ともいうべき苗木を専門に生産する人たちのことを「種木屋」と呼ぶ。

 

駅から徒歩で約15分。のんびりと歩いていると思ったより川や用水路が多く、空の高いのどかな景色が広がってくる。ほどなく村にたどり着き、車一台ほどの細い道を抜けた古い家並みの中に研究所はある。出迎えてくれるのは、待ってましたとばかりに元気な緑がまぶしい、整然と並べられた植物たち。それらは特別ではなく、野山で自然と出会えるようなすぐ側にある日常の草木。敷地奥にあるアトリエ兼ショップスペースでは、選んだ植物に合う鉢を選んだり、育てるための様々な道具が販売される。

 

2017年4月30日。植物と人とのより良い暮らしを築く為の楽しい研究がついに再スタートした。植物のこと、どんなことでもヤマタネ印の「塩津植物研究所」まで。

INTERVIEW vol.16:2014/Feb/18
TAKEHIRO SHIOZU:「植物と人間の関係性を、より良いものとして築きたい。」

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UPDATE : 2017/May/01 | AUTHOR :

TIE UP PROJECT