路上のモノ

フィルター

「路上のモノ」 その四拾壱

UPDATE : 2014/Sep/04
AUTHOR: 随筆家 ヤマヒデヤ

IMG_2113

 

 

「看板」

 

 

 

何かを人にお知らせするために存在する
建物に直接付いているモノ
建物の前に置いてあるモノ
建物の壁に貼ってあるモノ
建物の屋上に設置したモノ

 

その多くは商業的なモノだ
ビルのテナントであったり
ビルの空きスペースを利用して
宣伝広告であったり

 

しかし
今回のこの方
地方自治体からの回しモノです

 

「駐輪禁止」をうたっている
プラカードタイプの看板だ
中央環状線や外環状線にある
空き缶を捨てるな的な看板
「あ缶」みたいなセンスは全くない
直球勝負な看板

 

 

出会ったここは梅田のど真ん中

 

かなりな量の駐輪場も出来た
しかし最近の景気低迷と
自転車ブームも重なって
駅の近くは
自転車で溢れかえっている

 

需要と供給が比例していないんだな
決して駐輪マナーが悪いのでは無いと思いたい
駐輪場の数が足りていない

 

注意を促す「駐輪禁止」の看板

 

自転車で来ました
停める所がありません
何カ所かまわりました
やはりありません

 

目の前には大きく
「駐輪禁止」と書かれた看板
朝からイライラしていたのでしょうか?
それとも仕事終えて居酒屋よって
さぁ自転車と思ったら
自転車は無く
「駐輪禁止」の看板だけがあったのでしょうか?

 

とにかく
その「駐輪禁止」の看板は
八つ当たりされたのでしょう

 

 

 

という前提の元
僕は話を聞いてみた

 

 

「どうっすか?

話しかけてもいいっすか?」

 

「あーえーよ」

 

「やっぱりあれっすか?
誰かに八つ当たり的な
おりゃーって感じで
投げられたんすか?」

 

「あー
あぁぁ…」

 

「どどうしたんすか?
うぁ
酒臭せぇ

 

あかんわ
こっちが酔うてるだけやったわ」

 

「うぅー
にぃちゃん
エラい長い間逆立ちしとんねんなぁ」

 

「そらちゃいますよ
看板のおやっさんが逆さま
なにしてますのんな
戻しますよ」

 

「だぁーの…もぅ
もう触るな
俺に触ったら駐輪禁止やぞぉ
ったくもぅ
ドイツもこいつも」

 

「わかりましたよ
じゃあそのままにしておきますね
因みに
どいつもこいつもの
どいつがドイツになってますよ」

 

「あーもうしんどいから
向こう行って
あかん

 

さいなら」

 

 

 

酔っていた
なぜ逆さまに刺さってるのか
聞けなかった

 

なぜ路上で出会うモノは
おっさんが多いのだろうか?
そして時々
酔っているモノも

 

フッと
大阪市西成区西成警察署近くの街や酒場を思い出しました

 

 

 

ほな!

TIE UP PROJECT