路上のモノ

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「路上のモノ」 その四拾

UPDATE : 2014/Aug/21
AUTHOR: 随筆家 ヤマヒデヤ

「路上のモノ」 その四拾

 

 

「壊れる と 捨てる」

 

 

このあいだ久しぶりに
「妖怪大戦争」という映画を観たよ

 

豊川悦司が加藤という元人間の悪い妖怪だったよ
この加藤は人間に使い古されたモノたちをあおり
人間に対する怨みを増幅させ巨大な妖怪
黄泉付くもの
というのになったよ

 

加藤は
他の妖怪を連れ去り
捨てられたモノと融合させ悪の手先にしていったよ

 

僕は思ったね
使っていたモノを捨てる
これは僕も含め皆さんにある事
捨て方だと思うね

 

そのモノたちに感謝し
きちんと業者に引き取ってもらい
しかるべき方法で埋葬して頂く

 

路上にあるモノたちを見ていると
時々
悲しい気持ちになりますわ

 

 

 

「って
お前なに言うてんねん?
別にええやんけ
つこたって
つかわんかったって

 

要らんかったら
捨てたらええねん

 

俺なんて自分から望んで
ここにおるねん

 

わからん?

 

わかってほしないわ」

 

 

キレ気味だ
どうしよう…
こういう時は謝るのがええのか?
それとも
普通にしてた方がええのか?

 

「おいっ
なに小声でブツブツ言うとんねん
謝らんでええねん
普通でええわい
普通で」

 

「そっすか
すんません」

 

「謝らんでええ言うとるやろ‼︎」

 

「ああぁ
ホンマすんません」

 

「チッ
にぃちゃん
にぃちゃんはどっから来てん?
どこや
家か?
職場か?
もっとちゃうとこか?」

 

「家ですけど
そんなん聞いてどないしますねん?」

 

「それはお前には関係ない」

 

感じ悪いなぁ
もう行こかなぁー

 

「行きたかったら
行ったらええねん
誰もお前におってくれなんて
一言も言うとらんわ」

 

「わかりました
じゃあさいなら」

 

 

 

「なんやー
お前…
ホンマに帰るんかえ」

 

「そりゃ
帰りますよ
なんや感じ悪いし
帰れ言われるし
普通そしたら帰るでしょ
ほな
さいなら」

 

「ちょい
ちょい
ちょい
まぁ待ちぃや

 

さっきは悪かった
謝る
帰ることなんて
あらへん

 

すっきなだけ
ヨシオがおりたいだけ
ここにおったらええんや」

 

 

「さっきと全然ちゃいますやん
それに僕はヨシオじゃないし
最初っから
そういう風に普通にしときはったらええのに」

 

「なんやとコラッ
人が下手に出とったら
調子こきくさってからに
おれー言うてんねんから
おったらええがな
しゃかっそー」

 

「ああぁ
なんか知らんけど
もうあんまり怖ないわ
とにかく
もう帰ります

 

いつか
あんたの話書こかな思ってたけど
もうやめます
感じ悪過ぎんねん

 

そら捨てられるわ」

 

言ってはいけない事を
口走った
若干焦った

 

「にぃちゃん
そんなん言わんと
機嫌直しぃや
なっ

 

われ
舐めとんか?
いってもーたろか?
何が捨てるじゃー

 

なぁーなぁー
行かんとってぇーやー

 

口の中に手ぇ入れて
胃袋の中ガタガタ言わしたろか

 

話だけ
話だけ聞いておくんなはれ

 

どつきまわっそー

 

すんまへん…」

 

こ 壊れてる…のか?
精密機械が故の崩壊なのか?
エリートが壊れたらこういう風になるんかなー

 

そんなコトを思いながら
そこを後にした

 

 

世の中には
色々な人がいる
そして
同じように
世の中には
色々なモノもおる
言うわけやね

 

 

疲れました

 

 

 

ほな!

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