路上のモノ

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「路上のモノ」 その弐拾七

UPDATE : 2014/Feb/20
AUTHOR: 随筆家 ヤマヒデヤ

「路上のモノ」 その弐拾七

 

 

「台本」

 

 

記者
「警部 犯人はいったいどんな奴なんでしょう?」

 

 

神妙な顔で

 

警部
「うぅ〜む
今言えるのは腹が空いていた
という事だけだ」

 

 

驚いた顔で

 

記者
「腹がですか?」

 

 

相変わらず神妙な顔で

 

警部
「そうだ
腹がだ」

 

 

ちょっと疑ってるっぽい上目使いで

 

記者
「何故に?」

 

 

そして神妙な顔で

 

警部
「まだ君たちには中に入れるわけにはいかない
したがって資料を使って説明する

 

先ずは現場のこの写真をよく見てもらおう
両方ともフタが開いているだろう
これはそうとう腹が空いていたという動かぬ証拠だ」

 

 

納得したような顔で

 

記者
「動かぬ証拠見つかる
かぁ‥」

 

 

カッと目を見開きながら
記者団を見回しながら

 

警部
「しかもだ
二つある内の一つは
内釜ごと行かれてる
ここは重要視しておかなければ
なるまい」

 

 

冷静な顔で

 

記者
「ところで警部
この手前の丸い物は何でしょうか?」

 

 

動揺した顔で

 

警部
「おっ

 

 

良いところに気付いたな

 

 

 

 

 

 

 

わからん」

 

 

ビックリ顔で

 

記者
「わかんないんですか?」

 

 

部の悪い顔で

 

警部
「そうだ現段階ではまだわかっていない
ただ丸い物体であるという事だけはわかっている」

 

 

半分納得したような顔で

 

記者
「未解決の物体
現場に残るかぁ‥」

 

 

威厳をだしつつ

 

警部
「今鑑識(かんしき)に回すよう手配しておるのでもう少し待っておいてくれたまえ」

 

 

ここで
警部補が現れる
資料を渡し
警部の耳もとで何かを伝えているようだ

 

警部
「ええぇ

 

 

只今 鑑識の結果が出たようです」

 

 

資料を読み上げる

 

警部
「ええぇ

 

 

読み上げます

 

 

今回のこの丸い物体ですがぁ

 

問いただしたところ

 

 

問いただしたところ

 

 

ええぇ

 

私はやっていません⁉

 

事件とは一切関係ございません?

 

犯人は私ではありません????

 

 

 

おい
これおかしいやないか
話の流れと全然違いますやんか
今は鑑識のところの下りでしたやん
なんで丸いのんが
突然そうなるんよ
おかしいやん」

 

 

記者(電子ジャー白)
「それはあんさんがページ飛ばしたからやろ」

 

 

警部(電子ジャー銀)
「アホなこと言うなよ
僕がそんなのを間違う筈がないやろ
君のが間違っとる
謝るなら今のうちやで」

 

 

電子ジャー白(記者)
「自分のこと棚に上げたらあきませんで
読み間違うてましたやん
それは私のせいとは違いまっせ
いっつもそうや
とちったら全部とにかく私にふってくる
えらい迷惑な話でおますな」

 

 

電子ジャー銀(警部)
「そんなことありません
それはそっちや
だいたいなこの話はなんや?
何の事件で誰が犯人なんや?
でどこが面白いんや?
僕にはさっぱりわからん」

 

 

電子ジャー白(記者だった方)
「話をすり替えんなはんな
ややこしなってきますやろ
台本が間違うとる
その話ちゃいまんのか?」

 

 

電子ジャー銀(警部だった方)
「もうええです
もうしんどなってきましたわ
だいたいなんで僕たちはここにいますのん?
で何で背中合わせですのん?
僕たちは台所にいてるはずでしょ
ここは路上ですやん
こんなの路上のなんとかの格好の被写体ですやん
おかしいですやん
おかしいですやん
おかしいですやん

 

 

 

 

ああぁ

 

 

 

ゴハン炊きたぃ」

 

 

 

ほな!

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