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トークイベント「生活工芸の時代」|名古屋編

UPDATE : 2014/Oct/15 | AUTHOR :

9月に新潮社より刊行された『「生活工芸」の時代』

 

「暮らし系」とも呼ばれ、ライフスタイル全般に及んだ、この十数年のカルチャーはなんだったのか。これからどこへ向かうのか。なぜブームになったのか?デザインとの関わりは?茶の湯とのつながりは?民藝とのちがいは?『「生活工芸」の時代』では、生活工芸をめぐる〈これまで〉と〈これから〉について、13人の執筆者たちがそれぞれの立場からストレートに論じている。

 

本書刊行を期に9月、東京・大阪・京都にてトークイベントが開催され、この10月には引き続き松本(10センチ、10/25)・東京(魯山、10/30)でも予定されている。そしてこれらを受け、名古屋でも関連トークイベントが開催されることとなった。

 

トーク趣旨

20世紀という重く大きな時代が終わり、新しい世紀が訪れた、ちょうどその頃に始まる話です。この10数年を、僕たちは「生活工芸」の時代と呼んでみることにしました。そう呼んでみることで、いま自分たちが生きている時代をすこし突きはなし、俯瞰してみようと思いました。

 

たまたまそうだったのか。なにか必然的なことがあったのか。まだ近すぎてよくわからないことがたくさんあります。たくさんあるけれども、こうして言葉にとどめることで、自分たちが共有しているものの輪郭をたどり、それを次の時代につなげていくこと。それが『「生活工芸」の時代』のねらい。そうしてできたのは、答えではなく、問いかけの本でした。ここからまた議論がはじまる、そういう本。そういう本であってほしいと願ってトークをします。

 

名古屋編は、Roundabout / OUTBOUND店主の小林和人さんと鞍田崇の二人が話し手をつとめ、大学と街場、二つの会場で「生活工芸」の時代のモノの「クオリティと作用について」考えます。

 

手がかりは、『「生活工芸」の時代』に寄稿された小林さんの文章。そのなかで、小林さんは、工芸特有の美意識である「用の美」を問い直し、「用」の世界に「機能」と「作用」の二つを指摘されています。機能は「目に見える具体的な」側面、作用は「目に見えない抽象的な」側面です。機能におさまらない作用があればこそ、この間の「生活工芸」のブームもあったかと思うのですが、おうおうにして、それは「癒し」というコトバで片づけられがち。でも、そこをもっと掘り下げたい。それが今回のテーマのひとつ。でも、このことは、機能はもちろんのこと、「よいもの」を求め選ぶことと一体の事柄でもあるはずです。では、いま求められるモノの「クオリティ」とはなんなのか。それがもうひとつ。
人々は、いや何よりも僕たちは、いまモノに何を期待し、何を求めているのか。いま、そしてこれからのほんとうに必要なモノのあり方をいっしょに考える機会になればと思っています。(文・鞍田崇)

 

 

■イベント概要

【PART1】

「クオリティについて」
日 時/11月7日(金) 13:10-16:20
場 所/名古屋芸術大学 西キャンパスA棟 202教室
料 金/無料
定 員/100名(申し込み不要)

 

◎お問合せ
名古屋芸術大学デザイン学部 水内智英
T/ 0568-24-0350(内477) M/ mizuuchi@nua.ac.jp
愛知県北名古屋市徳重西沼65
*名鉄犬山線「徳重・名古屋芸大駅」から徒歩15分
*アクセス http://www.nua.ac.jp/access/access.html

 

【PART2】
「作用について」
日 時/11月7日(金) 19:30-21:30
場 所/TAiGA
料 金/1,000円(ドリンク付き)
定 員/25名(要予約)

 

◎お問合せ
TAiGA
T/ 052-781-7276 M/ mail@taiga-p.com
名古屋市千種区東山通り5-19 カメダビル2階B号室
*地下鉄東山線「東山公園駅」から徒歩1分
*アクセス http://www.taiga-p.com/pineapple1/

 

◎お申し込み
第2部は申込制です。上記アドレスまで、メールにて、件名を【生活工芸】とし、【お名前】【電話番号】【人数】を明記してお申し込みください。

 

■プロフィール
小林和人 こばやし・かずひと

1975年生まれ。幼少期をオーストラリアとシンガポールで過ごす。1999年、国内外の生活用品を扱う店Roundabout(ラウンダバウト)を吉祥寺にて始める。2008年には、やや非日常に振れた品々を展開する場所OUTBOUND(アウトバウンド)を開始。スタイリングや店舗プロデュース(Archivando渋谷、日常設計研究所台北)、内装ディレクション(RICORDO大阪、14g徳島)、書籍や雑誌等での執筆も手掛ける。著書に「新しい日用品」(マイナビ)がある。http://roundabout.to/

 

鞍田崇 くらた・たかし
哲学者。1970年兵庫県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。総合地球環境学研究所を経て、現在、明治大学准教授。暮らしの〈かたち〉という視点から現代の思想状況を問うている。著作に共著として「ウォーキング・ウィズ・クラフト」(松本クラフト推進協会)、「道具の足跡」(アノニマ・スタジオ)など、編著として「〈民藝〉のレッスン」(フィルムアート社)など、共訳として絵本「たべることは つながること」(福音館書店)、「雰囲気の美学」(晃洋書房)など。http://takashikurata.com/

 

関連サイト

名古屋芸術大学 http://www.nua.ac.jp/

TAiGA http://www.taiga-p.com/

新潮社 http://www.shinchosha.co.jp/

工芸青花 http://www.kogei-seika.jp/

 

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