続 橋本健二

フィルター

第十三話「昨日は どこにいってしまったのか!」

UPDATE : 2017/Jun/21
AUTHOR: 建築家 橋本 健二

 

いろいろな音楽を聴きだしてそろそろ47年だ。

最近になってデザインにその要素が出てきたか

聴きだした頃は毎日レコードを買いたかったのでレコード屋めぐりの日々である。

ある時だったか他店のレコード屋の紙袋を持ってあるレコード屋に行った時

その紙袋にレコードが増えていた不思議な現象があったことを思いだす。

そういえば小前田の実家はよく不思議な現象があったな。

部屋の天井に貼っていたたくさんのロックアーティストのポスターが金縛りと同時に強風が窓から入り全部めくれたこと。

幼少の頃 珍しく無愛想な母に遊んでもらってた時に誰もいない隣の部屋から女性の笑い声が聞こえたりとそれらの蓄積が 現在の小前田。

その複雑な家族の関係性も あっただろう。

沈黙の横山ホットブラザーズ的な・・・・

現代にマッチしない要素のデザイン

空気

たまに打ち合わせでクライアントとかみ合わない空気

アールヌーボーの時代に生きた方が よかったのか。

レコードに針を落とす。

Jeff Finlinに

Fulyのクーラーがまた壊れた。

全開の窓 ピラーレスの窓

心地よい熱風

ジョージア州のメイコンからの風か

ふっと停めて野良猫に声をかける。

「どちらへ?」

「組合の会合です。」

「気をつけて」

小前田のパトロールは終わる。

TIE UP PROJECT