Atelier Michaux （アトリエ・ミショー)とは、植物にまつわる様々なアイデアを一つずつ形にしていく実験工房。
2011年から活動を開始したこの「植物の実験工房」の「アトリエ」が、2013年2月に誕生した。

場所は京都西陣の北の端、路地裏の古い職人長屋の一角。
いくつもの年月を経て、今ではすっかり古びたそのスペースに、これから少しずつ、新しいいのちを吹き込んでいく様々な実験が行われるだろう。

そこは大徳寺に程近い落ち着いた場所ながらも、昔ながらの店が立ち並び、人が往来する活気にあふれ、生活の便としての機能を併せ持った町。

ここにある、窓は傾き、壁はボロボロ、あらゆる箇所からの隙間風で冬は寒く、夏は灼熱の古い古い家屋。

このギリギリの姿で残る築年不詳の未完成な「アトリエ」をステージとし、普段なかなか体験できないことを「実験」しながら、みんなと一緒に作り上げたい、そんな思いで生まれたのがこの企画。
元左官職人、「壁」の可能性にこだわる建築家として知られる森田一弥氏を講師に迎え、土壁作りのワークショップが開催される。

今回のワークショップでは、そんな森田氏の指導のもと、土壁の下地となる竹の編み方、土とワラを混ぜ込む材料作り(荒壁、中塗り、上塗りといった、3種類の土の配合を解説)、そして壁の塗り付けまで、フルコースでの実習を体験できる。

未完成の今だからこそできる「expérience」シリーズの第1段とし、今後第2段の開催も予定されている。(6月30日予定)。

土を知らない人はほとんどいない。
けれどその土には多くの種類があり、それぞれ特性や用途が違う。
普段何気なく目にしている土壁だが、壁に使う土は畑の土と何が違うのか、壁の中では何が起こっているのか、ホームセンターで増えている自然風素材とは何なのか、そんな実は分からない疑問を一気に解消できる日となるだろう。

子供の頃どろんこまみれになった土と遊んだあの記憶、今もっと新鮮なものとして蘇りそうだ。

□講師プロフィール
森田一弥

建築家。1971年愛知県生まれ。京都大学工学部建築学科修士課程修了の後、京都で左官職人として修行、文化財建築物の修復に従事する。2000年より森田一弥建築設計事務所代表。07-08年バルセロナのEMBT Arquitectes associats に在籍、11-12年 文化庁新進芸術家海外研修員としてバルセロナ建築大学に在籍。壁面意匠としての左官技術にとどまらず、構造的に自立する左官建築への関心を深め、スペイン のレンガ積みボールト工法の研究を進める。主な作品として、Ratna Cafe（2002）、Concrete-pod（2005）、Shelf-pod（2006-7）、Pentagonal- house（2008-10）など。いずれの作品においても、構造として、また意匠として、これまでにない柔軟な発想から壁の様々な可能性を追及してい る。著作に『京都土壁案内』（共著、学芸出版社、2012）など。

関連サイト

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Atelier Michaux （アトリエ・ミショー)　http://atelier-michaux.com/index.html

森田一弥建築設計事務所　http://morita-arch.com/