INTERVIEW

Bar MUSZE 安田 秀典|INTERVIEW VOL.3

UPDATE : 2012/Feb/14 | AUTHOR : makiko ueno

お酒を楽しめて、会話も楽しめて、音楽も楽しめて、空気も楽しめる。
関西から世界に向けて新たなムーブメントを発信する若手プロフェッショナルにスポットを当てたインタビュー企画。
第三弾は、昨年で丸13年を迎えられた鰻谷のBAR MUSZE 代表 安田 秀典氏に生の声を聞いた。

────── 必ず聞かれると思いますが、“JUNIA”というニックネームの由来を教えてください。

 

JUNIA氏:「昔、僕が18歳位の時に兄貴とイベントをやっていて、丁度その頃、“千原兄弟”がテレビなんかに出てきたてで、“弟”が“ジュニア”っと呼ばれる世代だったっていう、それだけで。だから“ジュニア”って呼ばれる弟って結構多いと思う(笑) 僕の半分位は“JUNIA”できてるから、本名よりも浸透してしまってるから今更…っていうのもあってね。」

 

────── BARをしようと思ったきっかけや動機は何ですか?

 

JUNIA氏:「ここのすぐ1本裏手に FAT TUESDAY っていう、もう30年位やられているお店があって、そこが基本的にはSOULとかBLACK MUSIC全般をかけてる所で、そこのマスターの人柄がすごく良くて。20歳位からそこによく通ってたけど、言ってみれば、今一緒にイベント等やらせてもらっているトランぺッターの Mitch とか、パーカッションの山北健一さんとか、関西のほんまに大御所のミュージシャンが普通に呑んでるようなお店で「いいな、ここのマスター。毎日好きな音楽を聴いて、こんな仕事ができて…」って思ったのがきっかけかな。そういうものに憧れるようになってね。」

 

Bar MUSZE|INTERVIEW vol.3

 

Bar MUSZE 安田 秀典|INTERVIEW vol.3

 

────── 迷いや不安はありましたか?

 

JUNIA氏:「全くなかった。若かったしね。お店は23歳の時に始めたけど、20歳の時にお店をやるって決めて、そこからスグにお金を貯める為に佐川急便で働き出して。」

 

────── お金を貯めている間に、気持ちの“ブレ”などはありませんでしたか?

 

JUNIA氏:「うーん。決めてからはなかったかな。でも20歳当時、車も好きで、音楽も好きで、ファッションも好きで、全然上手くなかったけど波乗りもしてたりで、趣味が多くて。そこでニ択に絞って。“波乗りを生活に生きるのか” “音楽を生活に生きるのか”どっちを本気で行くかっていう選択で。色々考えた結果、どの道音楽は付いて回ってくるんやなーって思ったり、音楽は自分の中で絶対に切り離されへんしね。でも今、自分が憧れているミュージシャンの方と一緒に仕事ができたり、このお店に出てもらえたりとか、そんな事は思ってなかったから。普通のBarのお兄ちゃんになってる予定が、こんな感じのLIVEもできるようになって。」

 

Bar MUSZE 安田 秀典|INTERVIEW vol.3

 

────── DJ JUNIAとしても多方面でご活躍ですが、どういった事がきっかけで音楽の世界へ?

 

JUNIA氏:「入る予定とかは別になくて、ただBARができればいいなっていう所から…。18歳の頃にDJを始めた事もあったから、自分のお店でもイベントをやってみたくなって。東大阪でCAFE&BAR MUSZEWELLとしてやっていた時代に開催していたイベントが、割とお客様に合わせた選曲+こちら側の、上手い具合に“ベタ”と“ギリギリ”の所を突いたイベントをやっていて、これが思ったよりも大きな反響があったのもたまたまきっかけになったり。

後は昔、上本町に“CHARLIE(チャーリー)”っていうホットドッグ屋さんと、共同でイベントを開催しましょうっていう事になって、今のクラブ「NOON」がまだ「DAWN」の時代だから2002年位かな?そこでご一緒させてもらう事になったのが外でやった一発目のイベントかな。その後も、また次もやりましょう、次はLIVEを入れましょっていう事になって、EGO-WRAPPIN’の森君がDJで参加してくれたり、A Million Bambooっていうバンドも参加してくれたりで、結局500人以上もお 客様が来てくださった大きなモノになって。“時代”っていうのもあったと思うしね。」

 

────── 誰かの影響をを受けましたか?

 

JUNIA氏:「カッコいいと思ったDJさんはいるけど、影響を受けたと言うとまた違うのかなぁ。世代的にも、僕より上の世代の方よりは本物志向じゃない気がするし。上の方達は、本物をそのままやるのがカッコいいっていうのがあって。僕は90年代に育ってるから、やっぱり少し加工したりリメイクしてみたりだとか、今の時代もそれに近いかもしれないけど。僕はあまのじゃくやし、そのままやりたくないっていうのもあるのかな。カッコ良ければいいんじゃない?って思うしね。」

 

────── JUNIAさんの理想とするBARとはどのようなものですか?

 

JUNIA氏:「お酒を楽しめて、会話も楽しめて、音楽も楽しめて、空気も楽しめる。他にもあるかも知れないけど、この4つは欠けたくないかな。ちょっとカッコつける“粋さ”みたいなものがBARにはあっていいんじゃないかと思うし。勿論洒脱な感じもそこにはあっていいだろうし。でも少し非日常を味わえる場所、かな。」

 

────── アンティークを使われた素敵なインテリアですが、何か参考にされている物などありますか?

 

JUNIA氏:「本を見たり…でもそれ位かな。音楽、服、食べ物もカルチャーも全部、その年代の、その土地の特色があって面白いでしょ?50年代のアメリカではこんな物が流行っていたけど、フランスでは全く別の物だったり。

それを自分の中で勝手に旅行していって、良い物をつけ足していったりして、じゃ自分は何が好きなのかな?って考えながら。だから特にコンセプトはなくやりたいようにしているだけです。アンティークを使っていてもどこか新しい空気を楽しめるように。」

 

Bar MUSZE|INTERVIEW vol.3

 

INTERVIEW vol.3 / Bar MUSZE

 

Bar MUSZE|INTERVIEW vol.3

 

────── 音楽のどういった所に最も魅力を感じますか?

 

JUNIA氏:「音楽はどんな時にでも、自分にしっくりくるものがある、っていう所かな。僕はDJをする時も踊れる曲だけでなく、みんなが「はぁ…」っとなって聴き入ってもいいんじゃないかなって思うし。実際にフロアめがけてそういうDJをしてしまうし、何でも、全て、感じる方が好きかな。

知識が増えてしまうと、数式のように音楽を聞いてしまったり、それも素晴らしい事だけど、分かり過ぎてしまうと、シンプルに音楽を楽しめない気がして。いかに単純に、いかに一般リスナーに近い形で音楽を感じられるか、っていう所が自分の中で大切な部分です。」

 

────── お店でされている音楽イベントやLIVEなどは具体的にどういったものでしょうか?

 

JUNIA氏:「ジャンルはようやく関係なくなってきました。やっぱりココに来た当時は、ROOTS MUSICKっていうものに、昔からのこだわりもあったから。でも今はもっと自然体に戻ってきて現在のROCKでも聴くようになったし。こっちが勝手にカテゴライスしても、今じゃインターネットの方が先にそれをしてるし、僕達側よりも消費者の方がカテゴライズの線引きが厳しくなってきてると思うし。

例えばあるロックバンドが1曲だけレゲエをやると、その曲だけレゲエバンド扱いをされたりだとか。母体を分からずに音源だけで物事を語っている人達が多い気がして。だから僕は出来るだけアルバムを聴くようにしています。勿論7inchのシングル盤も魅力的やけど、でもそれだけじゃ分からない気がして。アルバムを出せずにシングルで終わってしまった人達もいると思うけど、わざわざその人達を掘り下げるより、一通りの世の中の流れを知っていた方が面白いなって最近感じるようになって。」

 

Bar MUSZE 安田 秀典|INTERVIEW vol.3

 

Bar MUSZE 安田 秀典|INTERVIEW vol.3

 

Bar MUSZE 安田 秀典|INTERVIEW vol.3

 

────── 常に探求されているんですね。

 

JUNIA氏:「うーん…でもざっくりですよ(笑) うちはある程度、音楽をこんな風に打ち出してるお店だから「責任」があるんですよね。お客様は信頼して来てくださるから。音楽についてある質問をされた時、分からなければ分からない、次来てくれる時までに調べておくね、っていう伝え方もするし。その年代のマニアックなモノしか知らないで「60年代ってどんな感じの音楽ですか?」って聞かれた時に、その人が聞いているのは60’sのメジャーシーンの事なのに、アングラばかり教えても僕の一言がその人の人生を違う方向に向けてしまう気がして。だから僕からだいたいのニュアンスを提示して、その中でも“ココが気になる”っていうのを言ってもらえたりすると、じゃあこう言うのを聴いてみたらっておススメする事もできるし。」

 

────── コレを聴いて音楽に目覚めた、そんな一曲はありますか?

 

JUNIA氏:「BARって最高って思ったのが、昔FAT TUESDAYで、Louis Armstrong (ルイ アームストロング)とElla Fitzgerald(エラ フィッツジェラルド)のデュエットを聴いた時。「何ていいんや…」って思って。Satchmo(サッチモ=ルイ アームストロングの愛称)くらいは知ってたけど、JAZZの事も全然分かってなくて、でもカッコいいし、気持ち良いし。でもSatchmoって、JAZZがキーワードだけど、POPSなんよね。アメリカではPOPULAR MUSICにカテゴライズされている最高峰の人。今自分がマニアックな所もグルグル回ってきて、ココ最近辿り着いたのは、やっぱり自分はPOPSが好きっだっていう事。昔は大嫌いな言葉やったけどね。」

 

────── 益々のご活躍が気になります。今後の展開については?

 

JUNIA氏:「イベントは継続しつつもBARとしてはもっとグッとお酒を楽しめる空間にしたい。 本当は思われたくないけど、でも少し敷居が高いと思われてもいいからBARとしてありたい。その為にうちはNo Chargeでやらせてもらってるしね。最近、BARって呼べる所が少なくなってきた気がして。お店にも空気にも、力もお金も注いでないお店がチャージを300円・500円取る所が多くて。ポロっと乾き物を出されると、「え?ココにチャージ払うの?」って思ってしまったり。 でも友達だから行く、それもいいと思うしね。でも僕はBARと思っては行ってなくて、その人に会いに言ってるだけだと思ってます。」

 

────── どういう人にお店を利用して欲しいですか?

 

JUNIA氏:「特にこちらからの要望はなく、でも、大人の人、もしくは大人になりたい人、大人な空気を感じたい方であったり。暗黙の大人のルールの中の自由な空間で楽しんでいただける方に、使って欲しいっていうのはあるかな。お酒は美味しく飲んで欲しいし、酔う為に呑んで欲しくないっていうのはあります。」

 

Bar MUSZE 安田 秀典|INTERVIEW vol.3

 

Bar MUSZE|INTERVIEW vol.3

 

Bar MUSZE|INTERVIEW vol.3

 

────── 最後に… JUNIAさんにとって「MUSZE」とは?

 

JUNIA氏:「“人生そのもの”それしかないです。」

 

────── 今日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

 

JUNIA氏:「こちらこそ。ありがとうございました!(笑)」

 

Bar MUSZE 安田 秀典|INTERVIEW vol.3

 

Bar MUSZE | 代表: 安田 秀典(JUNIA)

www.barmusze.com

 

大阪市中央区東心斎橋1-20-16 長堀中央ビルB1F

TEL: 06-6282-0396

OPEN: Monday~Saturday 18:00~AM02:00 / Sunday 18:00~24:00

編集後記

もはや音楽はJUNIA氏の体の一部。その時その時最高のモノを提供してくれ、常に自然体で探求されている。
音楽だけでは勿論なく、その空間に浸ってみたくなるような場所 MUSZE

カウンター越しに流れる古いフィルムと、整然と並べられた数多くのボトルを眺めていると、
時間が経つのも忘れ、大人の世界観を広げられるような、憧れてしまうような。

“音”“お酒”“空気”“人” 入口はきっとどこでも良い。

少し非日常なこの場所で過ごす時間は、まるで旅をするような感覚にも似ていた。
私も少しだけ大人になれたかも知れない。

by makiko ueno

Camera / toshinori cawai

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