仮想商店街プロジェクト「ARCADE」 REPORT
UPDATE : 2016/Nov/02 | AUTHOR :
普段は人気もまばらな和歌山県・海南駅前広場が何やら慌ただしい。
大人たち、ボランティア、そして地元の学生なども一緒になり大きな建屋が組み立てられている。
海と山に囲まれたこの長閑な場所に、そう、あのお祭りのような2日間が帰ってくるのだ。
2016年10月22・23日の2日間。
和歌山県・海南駅前広場に突如現れたのは、本気で勧めたくなる店だけを厳選した理想の商店街「ARCADE」
昨年7月19・20日に第一回目が開催された「ARCADE」とは、年に一度2日間限定で行われる、次世代が住みたくなる街の在り方を提示する仮想商店街プロジェクトだ。
和歌山県を拠点に活動する建築やデザイン、家具や飲食など様々な分野に携わるメンバーが中心となり、“THINK OF A TOWAN”を合言葉に住みたくなる街の縮図のような空間を作り上げる。
昨年の開催では和歌山県内で活躍する約40店舗が出店、来場者は県外からも多く約8000人と大盛況となった。
実行委員で厳選し、出店者を完全招待制にするというスタイルはそのままに、本年度は東京、大阪、奈良、兵庫、香川などからも集まり、50店舗以上が出店。木製パレットで組み立てられた建屋の中に隙間なく軒を連ねた。
22日の初日、昼過ぎから雨に見舞われたが客足が止まることはなくアーケード内は人で埋め尽くされ、休憩スペースでは傘をさしながら思い思いの時間を過ごす人、駅前広場のバス停ではベンチで雨宿りをしながら談笑する姿が多く見られた。
翌23日は多少雲をのぞかせ小雨が降ることもあったが前日のような雨はすっきりと上がり終日大盛況。行列ができる店も数多く、早くも売り切れとなったKITCHEN AREAの飲食店では急ピッチで仕込み作業に追われていた。
この場所を選んだのは「憧れの大人たちの背中があったから」
「地元には何もない」と、海南市で生まれた若者たちが都会へ出て行くことも少なくない現在。果たして本当にそうなのか?次世代にも自分たちの背中で街の魅力を伝えることはできないのか?そんな想いを持った30代40代の地元で活躍するメンバーが実行委員となり生まれた仮想商店街プロジェクト。
小さな子供を連れた家族や、遠く県外から訪れた若い世代、噂を耳にし立ち寄った近所に住む年配層。夕方になれば授業を終え帰宅途中の学生や、会社帰りのサラリーマン。気がつけば店に足を止め店主と会話を交わしたり、知らぬ間に来場者同士の交流が生まれる。その光景は、昔懐かしい商店街での一場面にも似ていた。
理想の商店街、その形は今後どのように変化していくのか。
ARCADEという挑戦は、まだ始まったばかりだ。
2DAYS GALLERY
関連サイト
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ARCADE:http://www.arcadeproject.net/
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