第一回 京都ふるどうぐ市・REPORT
UPDATE : 2014/Apr/30 | AUTHOR :
両日とも天候にも恵まれ、開場時間早くから多くの来場者が足を運んだ。
会場となったのは京都一の繁華街木屋町。
穏やかで澄んだ高瀬川の流れに目をやると、今は鮮やかな緑色に変わった染井吉野並木からこぼれる、少し暑いくらいの日差しも心地よかった。
しばらく歩いて見えてきたのは、モダンな雰囲気を醸し出すアーチ型の玄関。これを渡って毎日通っていたのかなと、自分の知らない昔の情景をつい想像してしまいそうな小さな石橋を渡った先にあるのは、1928年(昭和3年)に建設され、1993年(平成4年)に閉校した元・立誠小学校。
来場者の列に並ぶ間も、そのモダンな佇まいを目の前にすると、時間を忘れるような不思議な気分にさせてくれる。
少しドキドキしながら一歩中に入ると、そこは床を踏みしめギシギシと鳴る懐かしい音と、多くの来場者の声が入り交じる賑やかな空間。1階、2階、そして中庭、講堂と、日本全国から集まった古道具店や古書店、そして飲食店がずらりと並ぶ。
「古道具店が選ぶ古道具店」というコンセプトの元セレクトされた約50店舗の古道具・骨董、古書店は、この道数十年のベテランから新感覚の若手古道具店まで様々。日本の昔話に出てくるような和を感じさせる骨董から、一目ではそれが何なのか分からない、でも惹き付けられてしまうような異国情緒あふれるジャンクと呼ばれるものまで、くまなく見て回るにはかなりの時間がかかる。
気になるものを手に取り眺める間に、また隣のものが気になる、そんな目移りを繰り返すうち気が付けば店主と、来場者同士にも自然と会話が生まれる、そんな慌ただしくも和やかな会場。
古い場所に集められたふるいものの数々。
でも何故かそこは見たことのないような、体で感じたことのないような新しい空気が流れていた。
一つとして同じものは生まれない50の世界観が、来場者のフィルターを通し、また新しい感覚となる。歴史ある建物にどっぷりと浸かり、50の表現を確かめるうち、自分自身の暮らしに合った掘り出し物に出会えた人も多かったのではないか。
私の場合、教室を巡るうちに記憶に蘇ったのは、自分の小学校時代。
授業もなく、ほとんど人のいない休日の学校はいつもとは違った景色で、何故だかわくわくした。
そんな誰もが一つや二つ、何かが思い出として温かく心に残る“学校”を舞台とした、マルシェのようであり、蚤の市のようでもある年に一度の一大マーケット。次回はどこで開催されるのか、どんな新しい表現に出会えるのか、来年の開催にも期待が高まる。
主催:京都ふるどうぐ市実行委員会
関連サイト
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京都ふるどうぐ市
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