INTERVIEW

Jun Hourai|INTERVIEW vol.9

UPDATE : 2013/Jan/09 | AUTHOR :

一流を観て、知って、自分流を見つける。
関西から世界に向けて新たなムーブメントを発信するプロフェッショナルや、様々な場面で活躍するアーティストにスポットを当てたインタビュー。
第9弾は、神戸垂水で USED & ANTIQUES ショップを営む傍ら、DJとして音楽活動も進行中の蓬莱 淳氏にお話を伺った。

────── お店オープン当初、まだ店名が決まっていないとおっしゃっていましたね?

 

蓬莱氏:名前は…結局決まらずそのままなんですが、“ホウライ”っていうお店で通って…ますかね?

 

────── お店を始められて今でどれくらいになりますか?

 

蓬莱:お正月がきたらちょうど丸2年になります。

 

────── 現在もDJとしての活動は継続中ですか?

 

蓬莱:プロじゃないんですけどね。よく呼んでもらえるので回させてもらっています。

 

Jun Hourai|INTERVIEW vol.9

 

────── Facebookで拝見させていただいたのですが、最近ではラジオにも出演されているのですか?

 

蓬莱:鷹取のNPOで、たかとり教会っていうカトリック教会があるんです。長田区は80年代くらいからベトナム・韓国・インドネシア、他にも色んな国の人達が日本へ移住してきて、今でも在住の外国人が多いんです。その人達が神戸の震災の時にすごく困ったんですって。言葉が通じない人もいるから情報が全然なくて。それを受けて教会が炊き出しをしたり、色々な国の言葉で情報を発信したり、そんな慈善事業が行われるようになったんです。

 

それが元になって支援の組織が出来上がって、コミュニティーラジオで情報を常時発信していこうということでラジオ局ができたんです。それがFMわいわい。そこの職員さんがたまたま垂水に住んでいて、時々お客さんとして来てくれていたんです。その人に出演のお誘いをいただいて。来年の3月までの予定なんですけどね。

 

────── 突然の依頼でできてしまうものなのですか??

 

蓬莱:いや、できないですよ。カミまくりです。「えーっと、えーっと…」って(笑)

 

────── 内容としては具体的にどういった情報を発信しているのですか?

 

蓬莱:パーソナリティーの相棒の女性が、長田区に関係のあるイベントを紹介したり、長田区にちなんだ人をゲストに呼んでお話をてもらったり。あとは僕が選んだ昭和の歌謡曲を3曲選んでかけさせてもらっています。

 

Jun Hourai|INTERVIEW vol.9

 

────── 突撃洋服店時代の蓬莱さんを知る人も多いと思いますが、働きだされたのはいつ頃だったのですか?

 

蓬莱:お客さんとして通ってたのが長かったんですが、多分98年くらいからかな?それから2004年くらいまでだったと思います。

 

────── 古着は昔からお好きでしたか?

 

蓬莱:好きでしたね。僕らの頃って言うと80年代後半なんですけど、ちょうどDCブランド、デザイナーズが全盛の時で、若い人達が無理してワイズとかギャルソン着だした頃でしたね。その頃僕もちょっとだけ着たこともあったけど・・・多分昔から古いものが好きだったんでしょうね。子供の頃から映画も古いものが好きやったし、今思えば「変な子やなー」って、よく言われていました。

 

────── その頃からDJ活動も平行して行われていたのですか?

 

蓬莱:いや、DJは全然。音楽はなんせ好きで、家でもよく聞いていたんですけど、流行の音楽は全然ダメで、周りとは違ったんです。日本の古い歌謡曲とかジャズが好きで、20代にもなると中古レコード屋さんも知るようになって、自分でよく音源を探しにいってました。突撃洋服店時代に、もう1つ“楽園”っていうお店があったんですが、そこに使われていないターンテーブルがあったんです。そこが古いコンクリートのビル1階のすごく広い1フロアで、後で聞いた話だとそういう使い方もしたかったんでしょうね。自分のレコードを持って行ってかけたりしていたら、若いお客さんに「一緒にやりませんか?」って誘われて。勿論素人、アマチュアでやってる人やったけど、それでかけだしたのが最初ですね。今でもDJって言ったら色んなスタイルがあるけど、僕はサンプリングもミックスもしていないのでDJと呼べるかは分かりませんけどね。

 

────── どのようなジャンルの音楽を回されているのですか?

 

蓬莱:JazzとFusionが好きなんで、本当はJazzをずっとかけていたいんですけど…どうしてもすぐにフロアの雰囲気を優先してしまって(笑)。他にはSoulとか、音は全般に好きなんですけど、そんなに詳しくないので、よくかけているのは60~80年代の歌謡曲ですかね。それとあとはもう少し古いもの。音源を持ってるものだったら、戦前のSP盤からリマスターしたものかな。オリジナルじゃなくて、蓄音機で回すマスター盤からレコードに起こしたようなもの。昔はそんな全集みたいなものが沢山あったんですよ。その中から音の良いものとを合わせてかけたりとかね。割と僕の中では調和してるんですけどね(笑)。あとは映画・テレビのサントラかな。

 

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────── 歌謡曲をメインにしたDJ。聞いてみたいと思っていました。

 

蓬莱:最近は世代を問わず結構いると思いますよ。ロックイベントに近いかも知れませんけど、知ってる曲でみんなで盛り上がろうぜ!的なものが多いと思います。僕もJamJam(ジャムジャム=神戸元町のジャズ喫茶)とかジャズカフェに聞きに行って、「コレ、何ていう曲ですか?」って聞くのが好きな方やったから。「知らん曲で良い曲かかれ!」みたいな感じでした。そうやってまた自分の好きな曲が増えたら嬉しい。それで知ってる曲がかかったら「やったー!盛り上がるぜー!」みたいな感じ。常に知ってる曲がバンバンきてうわーっと騒ぐ感じとはまた違うかな。逆に失敗することもあるんですけど、年齢的にも知らんやろうな、っていう曲をかけた時に「いい曲ですね」って言われたら嬉しいですね。

 

────── 歌謡曲の魅力は?

 

蓬莱:ノリと歌詞が耳に残るものが多いかな。ノリに関しては、今みたいにサンプリングとか打ち込みだとか、録音してどうとか、そんなことができなかったからみんな生音、フルアコースティックでしょ?電気楽器はあってもね。ミュージシャンとかジャズあがりの人が多かったから、レコードで聞くとバックの演奏がいいかな。音に厚みがある。聞いてて好みはあるやろうけど、ハマる曲とか歌手は絶対いるんじゃないかな。

 

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────── 古着で言うと、いつ頃のものがお好きですか?

 

蓬莱:色んなサイクルがあって、その時々でやっぱり変わるんですけど、今一番好きなのは80年代…いや70年代かな。何と言うか、ホッとする感じです。“オレ、頭おかしいんかなぁ?”って思ってたんですけど、結構前から“すごい肩パット入ってる人もっと歩いてくれへんかなぁ”って思ってて。最近少しずつ肩パットを抜いた80年代の服を着てる人達を見るようになってきたんですけど。女性はワンピースとかトップスのバリエーションが多いけど、男なんでジャケットくらいしかね。あれは念願なんですよ。

 

────── お洋服も音楽も、お好きなものは同じ時代のものが多いんですね。

 

蓬莱:そうですね。リンクしていますね。服自体があんまり残ってないけど、やっぱり戦前・戦後直ぐくらいの服が好きですもんね。

 

────── 70年代というと、蓬莱さんもまだ小さい頃ですよね?

 

蓬莱:そう、まだ5才頃かな。

 

────── その頃のイメージがまだ残っているんですか?

 

蓬莱:残ってますよ。大人の女性だと、今で言うレトロな柄物を着ていたり、髪はまっすぐの人と、もこもこパーマの人と。当時は体系がね。今の人よりはずっとボコボコとしていました。足の長い人もいなかったし、今なんか足の太い人を見付けるのが難しいくらいやもん。みんな普通くらいやし。

 

Jun Hourai|INTERVIEW vol.9

 

────── 足を見せるファッションが流行りだした時期で、それまでは見せる為に出すことがなかったからですかね?

 

蓬莱:ミニスカートが流行りだした時期やから、70年代前半くらいかな。当時の新聞の4コマ漫画でサザエさんが連載されてて、家にもその漫画があったから読んでたんですけど、当時の最新巻に、ファーストレディーの佐藤栄作の奥さんがミニスカートをはいてニュースになった話題がでててね。カツオが、「加藤さんの奥さんもミニスカートだって、姉さん」みたいなね。その時既に50代か60代くらいで、その年齢でミニスカートをはいたっていうのでもニュースになって(1969年 沖縄返還協定調印)。それがミニスカートの流行にもつながって。ツイッギーが来日したのが万博の前やから、それより少し前やもんね(1967年)。

 

────── 何故古いものがお好きなんだと思いますか?

 

蓬莱:キレイに言えば、郷愁を感じるというか…前向きじゃないと言うか(笑)。新しいものも嫌いじゃないんですよ。20才の頃に、ちょっとイイツイードジャケットを買ったんです。高校の美術の先生が通ってた、すごく上質なインポートものを扱ってる、個人経営の小さなセレクトショップでね。そこで買ったのは勿論新品で、何故それを買ったかと言うと、お店の人が着ててめっちゃ格好良かったから。でも、そうはならないんですよね。なんでかなぁって思ってて、その人に言われたのが、「そんなの大事に着てたらダメだよ。こたつに入る時も上着着たまま寝転んで、そのままミカン食って、ポケットには石ころを入れて膨らますんだよ。そうやって、ハンガーにかけた時にジャケットが自分の体の形に見えたら外で着るんだよ」って。そう考えると古着とかって、前に着ていた人の痕跡がなんとなく残ってたり。ポケットに喫茶店とかスナックの名刺、切符が入ってたりとかね。女性だったら百貨店のレシートが入ってたり…あれがまた良いんですよ。

 

────── “オミヤゲ”というものですね。

 

蓬莱:そうそう(笑)最近ではもうそんなこともあんまりないけど、僕らの時はまだ、親や親戚なんかが、「人の着てたもんなんか絶対着たらあかん、やめときなはれ。」って、そういうのが残ってたんです。でも僕は逆だと思うんですけどね。その人の生活をしていた頃の息づかいみたいなものが聴こえてくるようで。人間の一生って1回しかないけど、色んな人の人生を生きてるような、疑似体験ができるような気がするし。

 

Jun Hourai|INTERVIEW vol.9

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────── デザインよりも、その理由の方が大きいのですか?

 

蓬莱:着ていた人が好きで着ていた服だから、そこはもうセットみたいなものですね。自分が“いいな”って思ったものを、“いいな”って思う人がいたってことやから、そこにも興味が湧くんです。だからレディースも好きですし。痕跡と言っていいのかは分かりませんけど、確かに誰かがそれを選んで、愛着を持って、大切にしていて。昔の服って高いし、“別に何でもいいから買っとけ”そんな風に選んだりはしないから。一生懸命自分に似合うものを探したって、そう思うと余計にかな。

 

────── 今のデザインについて思うところはありますか?

 

蓬莱:どうでしょうね。その人、その時代のものがあるから、面白くないとは思いませんしね。逆に僕らの時って時代背景があって、情報の量も今とは違うから、それがバックボーンにあっての話ですけど、やっぱり1つ流行るとみんながそれを取り入れるような、スタイル的にはあんまりないなって感じます。若い頃リアルタイムでベルボトムが流行った時はみんな穿いてたし、ワンレン・ボディコンって言うとみんなそうしてた。でも今は情報が1つじゃないから、もの凄い量の選択肢がある。

 

デザインって極端に言うと、凄くデザインされたものと、凄く削られたものと両方なのかな、とは思います。ただそれを受け止める人達にとって、作り手と選ぶ人の距離はどんどん遠くなってるのかな。エッセンスがどんどん薄くなって、それこそ“柄じゃなくて無地”“ポケットはそんなにいらん、1つだけ”、そんな風になると面白くないかな。今のデザインが面白くない所まできてるとは断言しないけど、新しいものもなかなか出てきてないとは思います。

 

また最近になって、その時代時代の古着の背景が分かるような服が新品でも出てきてるような気がするし。海外はあんまり変わってないと思うけどね。もしかすると、40年代後半から50,60,70年代って、日本がもの凄く変わった時代だから、その時の流行・情報って特別なのかも知れませんね。80年代までいって、そこでパンっと弾けて、政治的な要因もあるかも知れないけど、今ココではなかなか生まれないのかも。イギリスだったらパンクロックが生まれたのにね。イギリス病でイギリス経済が大変だった時に生まれたパンクは世界中に広がって、今でも世界史に残るスタイルになってるのに。日本はなかなか出てこない。

 

Jun Hourai|INTERVIEW vol.9

 

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────── 古着・音楽は勿論ですが、カルチャーがキーワードなんですね。今の現代、足りないものがあるとするとそれは何だと思いますか?

 

蓬莱:溢れてるだけにいっぱいありそうですけど、何でもあるのが良くないのかもしれませんね。時代によってスタイルはどんどん変わっていくでしょ?今はその変化の途中で、まだ着いていないんじゃないかな。

 

────── 今扱われている30~50年前の古着のように、現在の服がそれだけの年月を経た時、今古着を愛してるように愛せると思いますか?

 

蓬莱:多分ないと思います。その頃に残ってる服って、60年代~70年代、それと80年代のイイものをベースに作られたものだと思うから、その時代の雰囲気は残してないような気がします。このことは古着を好きになった頃から言われたり、考えたりしています。でも「どう思う?今の服」って言ってたのがもう既に20年近く前になるのかな。今古着として残ってる、それこそ好きな50’s60’sのものでも、もう50年以上経ってる訳でしょ?それが今残ってるっていうことは、数はどんどん減っていくだろうけど、グルグル回っていくんじゃないかな。

 

まだ何でも浅いからね。何かが起こってからの時間の経過って、それを熟成させていくから、そう考えると古着がオシャレ着として着られだしたのなんて、バブル前くらいだったからまだ80年代頃でしょ?ミナミのアメ村や神戸高架下も。ベトナム戦争とか朝鮮戦争が終わってからの払い下げのサープラスのミリタリーなんかも、ずっと残ってるでしょ?まだ20~30年しか経ってない中で、“リサイクル”とか“買い取りブランド”とか、色んなものが出てきて、“ブランド”って呼ばれるもの以外は全部一緒になってる感じじゃないですか?

 

古着のカルチャーに触れずに日常生活を送った人は、今でも古着屋さんを「リサイクル?」って呼ぶし、一般的にはその方が通るのかな。ひょっとすると古着って言うものは、ぐっと絞ったものの名前になるのかも知れませんね。ちょうど今、全てがふるいにかけられてる所なのかも。

 

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────── 初めて古着を買ったのはいつですか?

 

蓬莱:古着を着だしたのは中学生くらいかな。親父とかおじいちゃんのタンスを覗いて、「これ、いいな」って思ったものを着ていいかどうか聞いてね。オシャレ着として買ったのは突撃が多分初めてかな?50~60年代のWのオーダーメイドの社長スーツみたいな1着でね。昔の映画に出てくるようなハイウエストでめちゃデカくて、ネームの入ってる・・・カッコいいなぁ…って思って。アメカジはほとんど通ってきてなくて、その点では周りとは少し違ってて変でした。22才で丸眼鏡かけて、スーツに蝶ネクタイ…今より老けてました。“映画のあの人みたいに見られたい”って、多分若く見られたくない部分もあったんだと思います。

 

────── 今でも好きな、ファッションアイコンのような人はいますか?

 

蓬莱:植木等は好きでした。映画の中のスタイルがすごく格好良くて、でも体系が全然違うから絶対に真似できませんでしたけど。「無責任時代」「スーダラ節」聞いたことありませんか?男前の3枚目役で、だいたいメイドインジャパンのコンポラ系スーツを着てて。2つボタンのカラシ色とか、若草色のスーツを着てたり、それにナロータイを合わせたり、ボウタイも黒のリボンにしてみたり。

 

────── 初めて購入されたのもスーツでしたね。スーツでコーディネイトする際に、気をつけているポイントなどはありますか?

 

蓬莱:多分、所作。仕草1つでめっちゃ格好良くなったり、全然ダメになったりします。袖を通してズボンをはいて革靴をはく、それだけでは格好良くは見えないと思います。

 

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────── 今の蓬莱さんに至るまでに直接的に影響を受けた人や、理想とするライフスタイルを実践していた人物はいましたか?

 

蓬莱:一番影響を受けたのは、さっきも少しお話で出てきた美術の先生かな。別にあれこれしろと教えてくれる訳ではないけど、着方が格好良いから見てしまうんですよね。アイビー世代の人で、ジャケットにパンツ。でもバキバキに横分けの人じゃなくて、もっとこなれた感じの人でした。逆に言うと硬派なんかな?本当のアイビーファッションでした。それまではテレビか映画の2Dでしか見たことがなかったから。ハンサムだとか、そういうのじゃないんですけどね。

 

ファッションだけでなく、ライフスタイル面でも影響を受けてて、simple is bestっていうのかな。シンプルな中にも、自分の個性と主張・哲学を凝縮させたものを1つだけ捉える、というか。興味を持ったジャンルの中の一流を観たり、知ったりすることで、自分流を見つけるっていう感じかな。例えば、工芸品は美術品であっても、それを使ったり、観て分かるものは完結しているんです。欠けや割れ、歪みが想像させるものを生み出すみたいに。そんなことを感じさせてくれたような気がします。

 

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────── お店、古着というツールを使って、発信・伝えたいことや分かち合いたいことはありますか?

 

蓬莱:規制や流行に捕われずに、その人自身のお洒落・音楽・ライフスタイル・思想までも表現してしまうのが、いわゆる古着ヴィンテージの世界だと思うんです。何にも捕われずにそのものを見ていいな、と思って選んでもらえると嬉しいです。それでここを通して次に行ってもらう。絶対次があるから。まぁ、余計なお世話でしょうけどね(笑)

 

────── 何故お洒落をしたいと思いますか?

 

蓬莱:言葉を使わなくてもできる。表現方法だと、自分以外の人に向ける電波とかアンテナかな?

 

────── 震災を間近で体験されたことで強く思ったことや、考え方がかわったことなど、また日々の生活が自然と変化するようなことはありましたか?

 

蓬莱:日常が一瞬で失われてしまう体験でした。あれからは常に“一期一会”を心掛けています。お店をしていて良かったと思う瞬間でもありますね。男女・年齢・国籍も問わず、新しい人達とたくさん出会えますから。

 

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蓬莱 淳 / USED & ANTIQUES HO-RAI 店主

 

SHOP INFO

神戸市垂水区宮本町1-26 ビルシーサイド東館1F

OPEN 13:00 ~ 21:00 CLOSE 火曜日

 

編集後記

ファッションという世界の様々な入り口。その中の一つ、古着で楽しむファッション。オシャレを楽しむ為のツールの1つである古い洋服の、出会った時の姿が想像させる何か。自分が魅かれたその1着が持つストーリーを探るように、着るごとに味わえる、もう1つ別の人生の主人公を体験できるような感覚。

ファッションだけでなく、自分が好きなあの世界、この世界のたくさんの人やものに触れ、自分流を探し続けるその途中に、今自分がいるという蓬莱氏の楽しみがじんわりと染出ててくるようなお店“HOURAI”。ここに心地良いグッドミュージックがゆるく入るとくれば、まだ小さかった頃、無理して大人の真似をしたりもした、懐かしい昭和の匂いが香り出す。

古着、音楽、歴史と文化。

蓬莱氏の中の世界を聞いていると、何故かいつもお酒が呑みたくなってくる。すぐ側には海のある気持のいい、ちょっと人里離れたこのロケーションで、憧れにも似た感覚で大人の郷愁を感じてみませんか?

by makiko ueno

Camera / toshinori cawai

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