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PUB KENNETH

UPDATE : 2012/Jan/05 | AUTHOR : makiko ueno

Barって言うよりも、自分はPubが好きで、Pubって言う響きが好き。
下町の風情と異国情緒が混ざり合い、訪れる者を楽しませてくれる神戸元町。観光スポットとしても有名な南京町を抜けてスグ、栄町通り1丁目へ。“何かありそう…”そんな風に期待してしまいそうな古いビル。細い階段を上り2階へ近づくにつれて聞こえてくるOld Musicが気分を盛り上げてくれる。

アンティーク感ある扉を開けると、大きな窓がまず目に入ってくるとても開放的な空間。 気取らずに、何気なく置かれた小物や照明など、ほとんど全てがantelique、vintageと言った古い物だと気付いた瞬間、蚤の市に来たようなワクワク感が一層目も楽しませてくれる。カウンターの上にはモザイク状にレコード盤がディスプレイされ、何とも言えず可愛らしい。

 

そんな“KENNETH”という名前の元となったのが、オーナー北秋氏が尊敬する、現在もロンドンで活躍されるスコットランド人DJ、KEBDARGE(ケブダ―ジ)の本名、enneth James Darge(ケネス・ジェームス・ダージ)から付けられているのだそう。神戸を拠点に、様々なイベント等のクラブシーンでDJとしても活躍される北秋氏らしいネーミングだ。

 

PUB KENNETH|店内

 

今年の8月31日で五年目を迎えたPUB KENNETH。多方面で活動されながら、お店を創められるに至ったきっかけを伺ってみた。

 

──── 北秋氏:
「漠然と自分でお店はしたいなって思っていて。古着屋さんで働いていた時は、いつか古着屋さんをするのかな?って思ってたりもしてたけど・・・古着に対して興味がなくなってしまったんではなくて、でもやりたい事は突撃洋服店時代にやったかなっていうのがあって。で、まぁ、自分は呑むのが好きやし、ロンドンが好きなので、ちょこちょこ現地に行ったりしている時に、向こうのパブって昼間開いてるからいいなぁって思ってて。で、何となくと、こんな事ができたらいいなって思ったのが最初かな。それから色々やりつつ、8年越しでお店を始めました。」

 

神戸では言わずと知れた古着の老舗、突撃洋服店時代の北秋氏を知る人も多いだろう。 オールド感のある楽しくなるような空間とリンクするように、北秋氏のスタイリングにもついつい目が行ってしまう。

 

PUB KENNETH|店内

 

PUB KENNETH|店内

 

PUB KENNETH|店内

 

お店のこだわりについては?

 

──── 北秋氏:「こだわりは・・・・ないです。例えば置いてあるインテリアにしても、めっちゃ和洋折衷やしね。アメリカ、ヨーロッパ、国産の物であるとか、そういった風にこだわってる訳でもなくバラバラやけど、ただ古い物が好きなので、何となくこういう雰囲気になってるのかな。後は・・・うーん。これは…逆こだわりみたいになるんやけど。時々、アイリッシュパブと間違えて来てくださる方がいてね。日本のパブって言ったら、今でこそこの何十年かでアイリッシュパブが増えたりして、その中で何となくパブのイメージを持っている方がいて。かと言って、うちはイギリスのエールビールの生がある訳でもないし、アイリッシュのビールがある訳でもなくて。バスペールエールみたいなイギリスのビールを置いたりもしてるけど、それも自分が好きだから置いてるだけで。

 

PUB KENNETH|店内

 

PUB KENNETH|店内

 

“Bar”って言うよりも、自分は“Pub”が好きで、“Pub”って言う響きが好きで。明るいうちから開いてるっていうのもね。向こうの人のパブの使い方って色々あって、みんなで集まってがっつり話をする人もいれば、寝酒で一杯呑むような人もいたり。日常のルーティーンワークみたいな感じになっている人も多くて、どちらかと言うとそういうのが好きなので…。神戸は昔から造り酒屋が多かったけど、特に関西は“立ち呑み”っていう文化がすごくあって、そのスタイルが現地のパブに近いと思ってるんやけど。何て言うんかな…そういうのよりもうちょっと入りやすい感じにしたくて。散歩とか買物の途中に、『どうせカフェに入ってコーヒー飲むならビール呑もうかな?』って、そんな方に来てもらえたらいいですね。そういう感じが自分の“パブ感”と言うか、そういう風にやって行けたらと思っています。」

 

PUB KENNETH|店内

 

PUB KENNETH|店内

 

PUB KENNETH|店内

 

PUB KENNETH|店内

 

行ってみたいけど、初めて行くのは少し緊張してしまう、そんなBARのイメージと言うよりは、とてもカジュアルに気軽に入れ、栄町の風景を見ながら、明るいうちからでも美味しいお酒をサクッと楽しめる。ちょっと休憩のつもりが、ついつい話が盛り上がり長居してしまう常連さんも多いだろう。そんなPUB KENNETHの一番の人気メニューは“ハイボール”だそう。カウンターに座るお客さんがみんなハイボールを呑んでいた、そんな光景も珍しくないのだとか。

 

──── 北秋氏:「別にうちに限らず、神戸の特色って言うのがあって。凍らせたグラスにウイスキーを注いで、キンキンに冷えたソーダをなみなみ注いでピールするだけのもの。これが、今、特に団塊の世代や還暦前後の方が郷愁を込めて“神戸ハイボール”って呼ぶんです。って言うのも歴史があって、今はもうなくなってしまった神戸の朝日会館ビルの地下に、その名も“神戸ハイボール”っていうお店があって、そこで出されていたのが、この氷が入っていないスタイルのハイボール。今はノンアイスでハイボールを出されるお店も増えてるけど、昔は神戸以外ではあまりなかったスタイルなんです。」

 

PUB KENNETH|北秋氏

 

“ケネスのハイボール”をはじめ、女性に喜ばれそうなカクテルやソフトドリンクメニューもあり、パブの雰囲気を味わいながらチーズケーキとティータイム、なんていうのもおススメ。また1コインでお釣りが出てくる、オシャレなアテ系も是非チェックしてもらいたい。そんなあったらいいな、ありそうでなかなかなかったKENNETHのパブスタイル。初めて来たのは実は口コミで…と言うケースが圧倒的に多く、来店客は、20~60代の常連さんまでと、幅広い年齢層から支持されている。ココに来て知り合い呑み友達になる、そんな光景も珍しくない、まさにPUBの醍醐味だろう。

 

──── 北秋氏:
「栄町通りは会社が多いので、うちスタートで呑みだす方も多いです。ココでがっつり呑んでくれるのも勿論嬉しいし、でもそれ以外の用途で、他のお店が開くまでの1杯っていう感じの、晩のスターターみたいに利用してくださるのも大歓迎です。」

 

PUB KENNETH|店内

 

PUB KENNETH|北秋氏

 

PUB KENNETH|店内

 

最後に、これから先のお店の展開について伺ってみた。

 

──── 北秋氏:「特にこうして行こうとか、そう言うのはないです。ただやれる事なら、ココでずっとやって行きたい。自分が栄町、と言うか元町が好きやからね。昔からこのビルの近くのムーンライトさんのマスターにお世話になっていて、ずっとムーンライトさんで呑んでてね。この町が好きでお店を始めたので、好きな町で、好きな商売をさせてもらっているので。」

 

 

PUB KENNETH|看板

 

information | PUB KENNETH

 

〒650-0023 兵庫県神戸市中央区栄町通1-2-11 茂生ビル2F

営業時間 : 15:00-25:00

TEL : 078-321-3960

座席数 : 14 席(貸切応相談)

ご予算 : 2,000円(通常平均)

定休日 : 第1、第3火曜日

編集後記

天気が良ければ、15時の開店と同時に強く明るい陽が入る。夕方になると、西からの陽に変わり、店内は真オレンジ色に変化する。夜になり暗くなると、昼の顔とは少し雰囲気を変え、ちょっとしっとりと、でもワイワイと。
どの色で楽しむのも自由。 どんな使い方も自由。
南京町でお腹いっぱいになった後、〆の一杯にもおススメの名店。この町が大好きなマスターと呑むお酒、旨くない訳がない。これからは気兼ねなく、オシャレに昼酒を楽しめそうだ。

by makiko ueno

Camera / toshinori cawai

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