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Walls & Bridges

UPDATE : 2012/Mar/28 | AUTHOR : makiko ueno

行きつけのお店に行く大人って、カッコいいなと思います。
見るからに古いアンティークな佇まいのビル、農林会館。少し重いエントランスの扉を開くと、高い天井、市松模様のタイル床、重厚な木の手すり付き階段。声がふわっと反響する奥行きのある空間で、昔の学校のような趣も感じさせる。

今ではオフィスがひしめく南船場を、昔のままの形で見つめてきたこのビル。現在はクリエイターのアトリエや、可愛らしい雑貨店、セレクトショップは勿論サロン等、ちょっと不思議で隠れ家的なオシャレスポットになっている。エレベーターを使わずあえて階段を上りたくなり2階へ。長い長い廊下を突き当たりまで進む、さらに一番奥を覗くと、何とも雰囲気のあるウッドの棚が目に入る。

2004年オープン、今年の10月で丸8年を迎えられるメンズセレクトショップ。店名となる「Walls&Bridges」は、1974年リリーズのジョン・レノンのソロアルバムのタイトルから付けられたと言う、オーナーの森氏。そこに込められた想いを伺ってみた。

 

森氏:「私的なんですが、ジョン・レノンが好きなのと、“Bridge”っていうのを入れたかったんです。橋渡し的なものをイメージできるから。“Walls”に関しては、物事を柔軟にって言うんですかね、何となくある日常の壁を取っ払ってセレクトしていきたいなっていう想いがあったので、この名前に凄くピンときたんです。」

森氏がアパレルの世界に入ったきっかけは大学時代に遡る。
当時、古着店でのアルバイトを通し、アパレルに入りたいと思うようになったのだそう。

 

Walls & Bridges

 

森氏: 「その頃は“ヴィンテージ”って言われる物がもの凄く流行っていた時代でした。そこでの接客が面白くて、それもこの世界にハマった理由の一つかも知れないです。」

大学を卒業後は、某セレクトショップに入社、その後もアパレルメーカーで勤められていた経歴も持つ。

 

Walls & Bridges

 

Walls & Bridges

 

Walls & Bridges

 

Walls & Bridges

 

森氏: 「遠回りとは言いませんけど、結局サラリーマンを9年やっていて。僕、多分器用なタイプじゃないんです。好きな事しかできなくて…。」

店内を奥へ進むと大きな鏡と大きなガラスの窓、自然の光がたっぷりと優しく降り注ぐ、高い天井を生かした独特の空気感は、シンプルで居心地も良、早く商品に触れてみたくもなる。ここで、気になる取扱ブランドについてもお話を伺ってみた。

 

Walls & Bridges 森氏

 

森氏: 「服に関しては、日本製じゃないとダメな訳ではないんですが、偶然にも長くお付き合いさせていただいているメーカーさんがそうなのであって。デザイナーさんとお話をするうちに、僕自身も入れ込んでしまった人達です。とても尊敬できて、モノ作りやそれ以外の色んな事に対しても、期待以上のものがかえってくるので、信頼関係も高まったんですね。」

 

今回はそんなラインナップの中から、おススメの2ブランドをご紹介いただいた。まず、岡山県にある2004年創業のパンツ専業ブランド「TUKI」。一見ベーシックなデザインに見える一型一型だが、見えない部分にまで職人の技がさり気なく光るユニセックスブランド。その中でも今おススメの1本はバックトゥフロント。フロントとバックのゆとりのバランスが逆になった一型。洗練されたシルエットは存在感、穿き心地共に申し分なく、是非店頭で試してもらいたい。

また、トップスからおススメいただいたのは、こちらも2004年創業の仙台のブランド「TATAMIZE」より、デザイナー自ら全ての工程をハンドメイドで制作されているというラインの「coarse sourt」から、ボーダー柄のトップスを見せていただいた。

 

Walls & Bridges 「TUKI」

春を感じさせるやさしい着心地は勿論の事、こちらも着て嬉しくなるような職人の手仕事が感じられる一型になっている。またこちらのハンドメイドラインについては、基本的には受注生産となる為、約40日程かかるのだそう。自分の為に手作業で作られる一着の温かみを想像すると、何だかほっこりするようで嬉しく、待つ間の時間まで楽しめてしまいそう。コーディネイトは勿論、ちょっとしたサイズ感なども森氏に相談してみては?

 

森氏: 「手仕事と言うと範囲が広過ぎるかも知れませんが、香りと言うか、職人に通ずると言うか、そういうものが好きなのかも知れませんね。古着にも似ている部分がありますが、使い込んでもより愛せるような。」

 

Walls & Bridges リネンブランド「R&D.M.Co-」

 

Walls & Bridges 「TATAMIZE」

 

そう言って見せてくださったのが、1枚のリネンのタオル。
山梨県は富士吉田市にある、こだわりのリネンブランド R&D.M.Co-のロングセラーの一品。

森氏: 「2年使い込んでるんですが、どんどん良くなるこの風合い、いいでしょ?」

こちらはリネン100%、洗濯にも強く速乾性も抜群。独特のシャリっとした質感で清涼感、お肌にやさしい使い心地も最高なのだとか。また鞄から出してわざと見せたくなるような、素朴なカッコ良さも気になる。

 

Walls & Bridges 森氏

 

Walls & Bridges

 

Walls & Bridges

 

Walls & Bridges

 

その他、生活雑貨からは、手のぬくもり、クラフト感にも惹かれる全て1点物の刺し子のコースターや、シャンプーやハンドクリームといったボディーケア用品、そして一部書籍も並ぶ。背表紙がうっすら色褪せたこれらは、book pic orchestraセレクトによる古書の数々。

森氏: 「実は今まで本に関してはあまり読みつけていなかったんですが、本ってその価格以上に、本当に身の為になるじゃないですか。こうやって並べていたら『めちゃ読むんですか?』って聞かれる事もあるんですが、僕の今後の理想なんです。読んで身につけたいな…っていう。」

 

Walls & Bridges

 

小説・文学・思想・歴史・哲学書など、様々なジャンルが興味をそそるこれらは、森氏のイメージする世界観を元にセレクトされている。

森氏: 「初めての出会いって言うんですかね、毎日の生活の中でちょっとだけ背伸びができると言うか…」

 

洋服のみならず、くらしがより楽しくなるこだわり抜いた商品の数々。 ライフスタイル毎真似したくなる森氏のセレクトするアイテムはファンも多い。

森氏: 「お客様とモノを通してお話できる事が本当に楽しいんです。しっかりとモノを選ばれる方、自分の意思や、世の中の流れにあまり流されない自分を持ってらっしゃる方であったり。」

 

Walls & Bridges

 

大切にしたいこだわりを肩を張らずいつも自然体で追及する。 そんな森氏がおススメするコーディネイトについても伺ってみた。

森氏: 「伝わりにくいかも知れないんですが、一見普通に見えてもちょっと洒落っ気があるような、さり気無いのが良いんじゃないかと思っていて。僕ってあまり服をいっぱい着たい方じゃなくて、『毎日一緒やん』って言われる位でいいんです。それを着倒すというか。『2代目行きます。』そんな風に同じモノを2着、そんな買物をして欲しいなって、ちょっと思ったりもしています。そこまで到達するにはかなりの時間がかかりますけど、でも良くないですか?他を探さなくてもいいんです。僕の願望なんでしょうね。行きつけのお店に行く大人って、カッコいいなと思います。」

 

お話を伺っていると、“もっと掘り出したい”そんな欲求にもかられる、大人で、ちょっと不思議な感覚にも似た魅力を持つWalls&Bridges。今後の展開については、今取扱いのアイテムと同じデザインのレディースサイズ展開も広げていかれるとの事。待っていた方も多いのでは?

森氏: 「服以外の雑貨なんかも、本当はもう少し力を入れていきたいですけどね。ただ、せっかく小さい店なので、僕が実際に使ってからお客様にご紹介したいし。でも時間がかかりますよね。だから、少しずつ少しずつ。」

 

Walls & Bridges

 

Walls & Bridges

 

information | Walls & Bridges

http://wallsbridges.blog110.fc2.com/

 

〒542-0081 大阪市中央区南船場3-2-6 大阪農林会館ビル#211

営業時間 : 12:00-20:00

TEL/FAX : 06-6253-4337

定休日 : ブログにてお知らせ

編集後記

そこはたくさんの想いが詰め込まれたクローゼット。
愛情を持ってつくられた身に着けるモノ、大切に残された歴史、
使う人を第一に考えつくられたやさしいモノ。

ファッションの少し先、
ライフスタイルごと、
自分の持っていたこだわりをもっと素敵なモノに変えてくれるきっかけを見付けられるかもしれない。

本当は教えたくない、
ちょっと大人になれる、
あなたの行きつけのお店になってしまうかも。

by makiko ueno

Camera / toshinori cawai

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