Antique and Brocante Modulor
UPDATE : 2011/Oct/28 | AUTHOR :
モダンな佇まいが印象的なCorの一階に、今年4月末にオープンしたアンティークショップModulorにスポットを当てた。
まず店名である “Modulor”:モデュロール その語源とは…。フランスの建築家ル・コルビジェが、人体の寸法と黄金比から作った建築物の基準寸法の数列。フランス語のmodule(モジュール寸法)と、section d’or(セクションドール黄金比)から作った、ル・コルビジェによる造語。
M:「よくあるアンティーク屋っぽい名前が嫌だったって言うのと…。その言葉も好きだったので。」
と仰るオーナーの稲村氏。ここでお店を創められた経緯について伺ってみた。
M:「いわゆるアンティーク屋っていうものが、重厚な家具であったり、少し敷居が高い部分があるんですが、そういうんじゃなく、どちらかと言うとモダンな感じと言うか…。フランスやイタリアなんかの近代的な感じで、アンティークとモダンを上手く混ぜたmixスタイルってあると思うんです。そういった形で提案できればっていうのが、お店を出した原点の一つだと思います。」
歴史を重ねて来たものだからこそ感じる重みや厚み。自ら語る事は決してないが、必ず存在するその物の持つ雰囲気を殺さず、最大限に生かした新しい空間を演出する。今まで体感する事が他ではなかなかできなかった、お店の一番のこだわりだろう。
M:「今までの重厚なアンティークのイメージを払拭したい。モダンな造りの建物であっても、アンティークを置くと雰囲気が変わりますし。そんなModulorのアイテム構成は、オーナー自らイギリスやフランス、ベルギーといったヨーロッパ各地でセレクトしたインダストリアル系やフレンチ系家具、また美容室やアパレル店等でも使いやすい什器といった目線の物まで多岐に渡る。ある意味冒険的な買い付けをしているので、なかなかすんなり売れそうにないような物でも、それを持っていて格好良いと思った物は買い付けています。」
またその他には、アンティーク部材を使用したオリジナル店舗什器等の制作、販売も行う。
おススメのアイテムについても伺ってみた。
M:「やっぱり…使いやすいのは色味の薄い剥離されているタイプの家具類です。置く空間や環境に左右されにくくて、馴染みやすいっていう強みがあります。」
なるほど。言われてみると確かにそうかもしれない。高級感漂う重厚なイメージのアンティークとはまた一味違ったどこか優しい雰囲気。開放感のあるエントランスから一歩お店に入ると、そこは100年以上も前の本物のアンティークに囲まれているのにも関わらず、どこか新しく新鮮な、同時に木の温もりが感じられる居心地の良い空間となっている。
今後の気になる展開については、店舗での販売と合わせて現在も進行中の、店舗プロデュースを勢力的に進めて行かれるとの事。アンティーク家具や雑貨を取り入れつつお店をコーディネート、またすでに持っている家具類のエイジングといった加工等も全て行われるので、納得のお店造りが期待できそう。最近では、東心斎橋にある美容室RITA Hairs(リタヘアーズ)の内装もプロデュース。アンティークとモダンの絶妙なmix感が新しい、体感したくなるような空間に仕上がっている。
最後にオーナー稲村氏に、どんな人にどんな風にお店を利用してもらいたいのか質問させて頂いた。
M:「アンティークであるが故の不便利さなどを理解して頂ける方にお買い上げ頂けるのが私には一番うれしいですし、家具にとってもそうじゃないかと思います。」
本物のアンティークを数多く見て、触って、体感して、何より愛しているからこその一言。お話を伺っていると、鈍っていた自分の感性に、少し刺激を与えられたような気がした。
M:「物を売るだけではなくて、お客様と一緒に悩んだり、考えたりしたいですし。相談だけでもして頂けたらと思います。」
recommend item
information | Antique and Brocante Modulor
http://www.modulor-antique.com
〒550-0014 大阪市西区北堀江1-17-1 Cor-1F
営業時間 : 12:00-19:00
TEL : 06-4391-3994 | FAX : 06-4391-3995
定休日 : 毎週火曜日/第1・3木曜
編集後記
高い天井を見上げると、シャンデリアの小さな光が優しく、ホッとしてしまう。
ある一角は、独特の怪しさに惹かれてしまう、まるで現地のアンティーク市にいるような感覚になる。
コンセプトである、アンティーク+モダンをそのままに、とても柔らかく演出されている。
好きだけど、どう取り入れればいいか分からない、そんな方も一度足を運べばヒントをもらえるハズ。
みなさんも見つけに行きたくなりませんか?
by makiko ueno